稲蓬莱

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お正月の準備が大変でブログを更新できませんでした。当社の氏子地域に約24000人の人が暮らされています。上場企業も本社も2社ほどあります。上場企業の支店・工場、中小企業の本社など結構あります。年末になりますと氏子地域の各企業・各家庭に「稲蓬莱」を宮司の私と禰宜の息子と手分けして「稲蓬莱」を届けています。

「稲」は「いのちの根」という大和言葉からきております。「稲」のいのちを頂き、日々私たちは生かされています。稲穂の実りは繁栄の象徴です。

そのことから上代では日本のことを「食国」(おすくに)と言いました。食をもって国を治めるから「食国」です。現在でも天皇陛下は毎年5月中旬、皇居内の生物学研究所脇にある水田で田植えをされます。秋に陛下が稲刈りをし、収穫した米は宮中祭祀の新嘗祭などに使われます。

更に天皇陛下はお育てになられた御稲穂を天皇陛下が召されぬ先に神宮の「神嘗祭」の御初穂として御献進になられます。伊勢市に住んでいた時に、伊勢市民は神宮の「新嘗祭」が終らないと新米は食べなかったです。

このように日本人はお米が主食なので宮中祭祀の主要な祭祀はお米に関する祭祀が多いです。

当社でも9月上旬に稲を刈り、秋の大祭・神嘗祭に供え奉った稲穂から新年を迎えるにあたって歳神をお迎えする「稲蓬莱」(稲魂)を作成する風習が古くからあります。私が中学生のころまで当社の氏子地域は田んぼが多くあり、お百姓さんばかりでした。各家庭では稲の一束を一年間ほど玄関に飾って五穀豊穣と一家の繁栄を祈っていました。

ところが都市化が進み氏子地域で田んぼかあるのは一件だけになりました。お百姓さんがいなくなったのです。私も大阪市農協の出資者ですが田んぼはありません。そのことから神社で提携した農家さんに依頼して収穫された稲穂に松竹梅の造花や御幣を飾り、現在の「稲蓬莱」になりました。

 このように「稲蓬莱」は手作りなのです。日頃から当社にご協力頂いている氏子・企業・崇敬者に12月初旬から神職が直接伺い、お届けにあがっております。遠方で当社にご縁のあるお方には発送もするようになりました。

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